こんにちは。すぱ(@supa_kun_)です。
今回はカメクラ界のイリュージョンマジシャン、見るたびにカメラ機材が変わるしむさん(@46sym)が年末恒例の「カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020」「【2nd Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020」を募集していたので、2度目の参加してみました。
今回は2ndが人数不足とのことで、思い切って1stと共に投稿しようと決意しました。2ndが先になりますが、今回はコロナ禍で外で撮影できない日が多かったことから自宅で現像をするようになったのでそのことを書こうと思います。
今回は特に同じジャンルの少ないAPSフィルムの現像方法を再度ご紹介し、最後に通常の現像の内容などを書こうと思います。
APSフィルムの自家現像
APSフィルムを現像するために必要ものはこちらの記事をご参照ください。
1)フィルムをデタッチ
まずはAPSフィルムをカートリッジからネガを外して詰め替え用カートリッジに入れ替えます。デタッチャーという機械を使います。
今回はノーリツ鋼機のADT-240を使って入れ替えます。
左のカートリッジが詰め替え用カートリッジ。右がAPSフィルム
このように自動で詰め替えカートリッジにネガを移してくれます。
動画でもその様子をご覧ください。
フィルムを現像リールに巻く
詰め替えカートリッジに入れ替えたネガを現像リールに巻きます。
実際には暗室やダークバック内で行います。
現像
リールに巻いて現像タンクに入れてしまえば普通の35㎜フィルムと同じ段取りで現像できます。
カラー現像の場合は
・現像処理(私は30℃9分)
・水洗い
・漂白定着(私は30℃10分)
・水洗い
・(ドライウェル処理)
で完了します。コダックの現像液セット使えばモノクロ現像よりも工数少なく現像できます。
現像終了
APSフィルムの現像ができました。
ネガをカートリッジに戻す(リアタッチ)
乾燥させたらネガをカートリッジに戻します。自宅で印画紙に焼いたりデータ化するだけならカートリッジに戻さず35㎜フィルムと同じようにはさみで切ってネガシートに入れても良いです。
私はAPSフィルムのフィルムスキャナーを持っているのでカートリッジに戻します。
全自動対応のFARA-300を使います。
巻き取ったら自動で出てきます。
これも動画で見た方が分かると思うので動画を付けます。
このように自動で巻き取ってくれます。
自宅で現像するには
自宅で比較的簡単に現像できる種類のフィルムは135サイズ(35㎜フィルム)と120サイズのカラーフィルム、モノクロフィルム、リバーサルフィルムです。
用具も基本は100均など写真専門店などで揃えなくても大抵のものはそろいます。
唯一専門的に必要なものと言えば現像タンクくらいでしょうか?
このように撮影後のフィルムをリールで巻いて薬品を入れて現像して行きます。実際は暗室やダークバックなどの中でフィルムが感光しないようにリールに巻いて現像タンクに入れます。
あとは薬品を入れるビーカーや容量を図る容器などほとんどは100均やホームセンターで買いそろえました。
あとはカラーフィルムの現像やモノクロ、リバーサルに必要な現像の薬品です。
私はTK_ photoさん(@takuya096)の現像レシピを基本に調整した以下の内容で現像しています。
1.カラーフィルム
・発色現像液(1000ml)(コダック エクタカラー RA 発色現像補充液 RT)
ぬるま湯(30℃) 800ml
発色補充液a 40ml
発色補充液b 20ml
発色補充液c 40ml
スターター 25ml
最後に1000mlになるようにぬるま湯を足す
・漂白定着液(コダック エクタカラー RA 漂白定着補充液 )
ぬるま湯(30℃) 660ml
パートA液 140ml
パートB液 200ml
・ドライウェル(水切り液)
水 1000ml
ドライウェル 5ml
現像作業
30℃で保温後
- 現像(9分)
発色現像液をタンクにそそぐ。フィルム面に空気が残らないように底をこんこんと叩く。
・連続撹拌1分→1分休み→4回上下反転(10秒ほど)→50秒休み
8分経ったら現像液をビーカーに戻す
- 水洗い 1分ほど 廃液残りがなくなり透明になるまで
- 漂白定着 (10分)
- 現像と同じ作業
- 水洗い 1分ほど
- ドライウェルのビーカーにリールごと沈めて30秒ほど浸す
- リールからフィルムを外して干す
2.カラーリバーサル
“MZ式Ver3.1″の現像レシピ。
原料:
FUJIFILM.パピトール(8㍑用)
ナニワ.メトールサン(250gがお得)
KodakエクタカラーRA発色現像補充液RT10L
Kodakカラーペーパー用漂白定着液RA-4BF
MZ式使用液:
第1現像液:パピトール1㍑+メトール5g+エクタカラーRAのA液20cc(原液)
第2現像液:エクタカラーRAのB液30ccを水800ccで希釈し、A液40cc、C液60ccを加え、少し加水して1㍑に
漂白液と定着液:漂白定着液RA-4BF使用。漂白液は”茶色の液”250cc、定着液は”透明の液”200ccをそれぞれ加水して1㍑
現像手順:
1.第1現像38℃で3分30秒(新E100は6分30秒)
2.水洗3分
3.反転露光(明所で30秒ほど)
4.第2現像38℃で135や120は3分30秒、4×5や8×10は4分
5.水洗3分
6.漂泊(15℃以上)10分以上
5.水洗1分
6.定着(15℃以上)10分
7.水洗20分
注:工程1、工程2のみ遮光必須(工程3の反転露光以降は明所で作業可能)
その他1
:期限切れFilmは漂白時間が長いくヌケにくい。出来上がりが赤黒いなら再漂泊してみる(30分以上)
:漂白液(1㍑)はクエン酸1~2g+ブロムカリ20gを加えて作成すると強化されヌケが良くなる
:漂白液は疲弊劣化してもブロムカリ10g投入しエアポンプで30分ほどブクブクすると復活する(再利用可能)
その他2
:Kodakの新E100は第1現像不足傾向があり、第1は3分30秒でなく6分30秒にしないと暗い(2020年3月現在)
:調色(劣化や水質の違いなどを調整):第1現像液のメトールを減らすと赤く、増すと青くなる(可変範囲0~10㌘)
MZ式の新調合Ver3.1、赤調色を試行。
青く現像されるFujiのCDU(コピー用ポジフィルム)を、若干赤方向に調整できることを確認(左が通常液、右が調色配合)。
赤方向に調色すると現像力が落ちるので第1を長くするのがヨサゲか。
3.モノクロフィルム
・現像液(1000ml) 2~4回程度利用可能
水 1000ml
ミクロファイン粉末1L用 1袋
・停止液(500ml) 1.5-3%の酢酸液 1回で終了
水 500ml
フジ50%酢酸液 15ml
・定着(600ml) 保存可(50本程度)
スーパーフジフィックス 200ml
水 400ml
・水洗い促進剤 1回で終了
水 2L
フジQW 1袋
・ドライウェル(水切り液) 1回で終了
水 1000ml
ドライウェル 5ml
現像作業
- 現像(常温 20℃) 20℃10分 22℃8分30秒 24℃7分 26℃5分45秒
1分連続撹拌、50秒休み、10秒撹拌の繰り返し
現像液を戻す
- 停止(常温) 30秒撹拌→捨てる
- 定着(常温) 7分
1分連続撹拌、50秒休み、10秒撹拌の繰り返し
定着液を戻す
- 水洗い(常温) 30秒
- 水洗い促進剤(常温) 1分じゃぶじゃぶとつける
- 水洗い(常温) 流し水で10分
- ドライウェル さっとつけて干す
フィルムスキャン
現像できたフィルムを画像データにするためにはスキャニング作業が必要です。
私はフィルムスキャナーを使って取り込んでいます。
Nikon COOLSCAN IV ED
このスキャナーは35mmフィルムとAPSフィルムが取り込み可能です。
また本体付属ソフトはWindows10には対応していないので取り込みソフトは
「Vuescan」という万能スキャニングソフトを使っています。
このスキャンソフトの凄い所は
・汎用のドライバであり、過去発売され製造終了したスキャナーを利用できる。
・各種フィルム銘柄のオレンジベースのデータを持っており、ネガフィルムのオレンジベースを除去し、適切な色再現が容易にできる。
・付属ソフトより細かく調整できたりする。
・jpegだけでなくRAW保存も出来る
このような素晴らしい機能を持っているため機能は素晴らしいけどドライバーが対応していないようなNikonのCoolscanを利用できたりします。
各フィルムメーカーのネガ情報を持っています。
コダックのカラーネガフィルムだけでもこれだけの種類の情報を持っています。
フィルム作例
カラーフィルムは比較的失敗しにくいのでぜひ一度みなさんもお試しになってはいかがでしょうか。
「【2nd Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020」
昨日はMiyachi / Photoさんの「Shoot for the moon」でした。
明日はヨーシャさんです。お楽しみに。
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